立夏
5月に入って爽やかな新緑を目にして生命の息吹を感じます。暦の上では夏のはじまり。
今日は子どもの日に考える「魔法の言葉を唱えると」東京新聞の社説で、とても感動した記事を見つけました。
「ホロロンホロン」それはこんな物語ー。森にすむウサギのさちは、近くの海にひとりぼっちでぽっかり浮かぶクジラのカプカが気になります。カプカは何も言いません。でも大きなカプカのそばにいるだけで、何となくこころが休まります。
ある日カプカの小さな目から、大粒の涙がこぼれ落ちるのが見えました。「どうしよう」。さちは途方にくれました。
そんな時、さちはいつも魔法の言葉を唱えます。「ホロロンホロン、ホロロンホロン・・・」そうすると、自分の中から、やりたいことがわいてくる。「そうだ、花や木の実で首飾りを編んで、プレゼントしてあげよう」。さちはせっせと編みました。だけどカプカはあまりに大きくて、「どうしよう、これでは花が枯れてします」
「ホロロンホロン、ホロロンホロン・・・」。そんなさちを見ていたフクロウが、森の仲間、海の仲間に伝えます。するとクマやタヌキは花や木の実を、タコやイルカは海藻や貝殻などを携えてさちのところに集まりました。
それをみんなでつなげていくと、あっという間に大きな大きな首飾りができあがり。カプカの瞳の涙は消えて、空には虹の架け橋が。お日さまの声も聞こえてきます。
この物語はアーティスト澤村木綿子さんが自作自演する「ホロロンホロン」というタイトルの紙芝居。自らも手作りの着ぐるみを着て子どもたちへ演じて全国を回っているそうです。
紙芝居の後、子どもたちに語りかけます。「今のニュースを聞けば、ウクライナの子どもたちのこと。つらくて、どれほど小さい魂たちが傷ついて悲しんでいるのかと、一人のおとなとして申し訳なく思っています。ごめんなさい。でも信じてください、人間はそんなに愚かじゃない。今にきっと「ホロロンホロン」魔法の言葉を取り戻し、もっともっとつながって助け合って生きていく。地球を壊すおとながいれば、直せるおとなもきっといる。手を取り合って力を合わせて笑い合う」
社説は文字だけで写真は載せないと聞いたことがあります。今日は大きなクジラのカプカに首飾りをした紙芝居の1枚の絵が載っていました。
自転車で仕事場へ行く途中、毎年「緑のトンネル」と呼んでる場所があります。若葉のなかをくぐって葉や木や鳥たちに「オハヨー」のあいさつをするワタシ。「ホロロンホロン」魔法の言葉も唱えましょう。