自分で新しいものをつくり出す
7月2週目の週末、ようやく日中の気温が25℃まで下がり、連日の猛暑から一息つけました。朝早く起きて、ベランダの掃除をして、窓も磨き、後回しにしていたことをサクサク片付けていくと、体が自然に動いて心地よい。久しぶりにこんな気持ちで動けた気がします。
先日、東京新聞の「再読あの言葉」に2020年に96歳で亡くなった英文学者で評論家、エッセイストの外山滋比古さんの2014年インタビューが載っていました。『思考の整理学』は、今も全国の大学生に読み継がれるロングセラーで、AI時代に通じるヒントが詰まっており、何度も読み返しては新たな発見をしています。
本を読んだり、勉強して知識を得ることは、誰にとってもごく当たり前の知的活動だと思われがちですが、外山さんはそれだけでは不十分だと指摘しています。「生活」が大切だと。生活の上にこそ知識や教育が成り立つものであり、生活の中で失敗や成功を経験し、それが新しい挑戦へのエネルギーになると述べています。
『思考の整理学』をつづったたおよそ30年前、パソコンが社会に普及し始めた時代でした。情報処理や事務処理はコンピューターに任せるとしても、「泣く」「笑う」「喜ぶ」といった生活的な感覚こそが、機械的ではない創造的な仕事を生み出すのではないか、と。その言葉に深く共感します。
インタビューの中で、妻のけがをきっかけに、75歳を過ぎてから朝食と昼食を自分で作るようになったと語っています。「食材を刻んだり、煮たり、焼いたり。原稿を書くよりもずっと直接的。「炊事を始めてからは、原稿を書く効率も上がった」と笑いながら話していました。かつては朝から晩まで本を読んでいた時期もあったのは「どんなもんだ」という、てらい。今の方が喜びがあり、健康だと言います。
自分で新しいものを創り出すこと。それが、私の今のチャレンジです。気になったレシピで新しい料理を作ったり、盛り付けのうつわを考えたり、新しくコレクションした作品を飾って、ベランダの草花を植え替えたり、自分なりに小さな工夫しながら、新しいものをつくり出す、前向きな気持ちで生活を楽しんでいます。
私も還暦を迎えるまであと少し。今月、同じく東京新聞の夏休み企画に応募。なんと!めでたく抽選に当選!新しいことにチャレンジする予定です。月末にはまた報告できるかと思いますが、今はうふふ・・・内緒です(笑)