秋の茶ノ会を終えて(9/14)

2025年09月15日

厳しい残暑の中、「まだ暑い~」と言いながらお越しいただき、昨日は秋の茶ノ会を無事に終えることができました。皆さま、本当にありがとうございました。

茶花は鎌倉「緑青」さんにお願いし、野に咲く草花を桐箱にしつらえていただきました。チョウジソウ、キンミズヒキ、ヨメナ、ユウガキク、ナデシコ、オミナエシ、キキョウ、リンドウ、ホトトギス…。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」――秋の七草として知られるこの歌は、万葉集の山上憶良によるものです。万葉の時代から続く日本の秋の情景、初秋の夕暮れに照らされた美しい野原の様子を思い描きながら、桐箱に草花を収めました。と添えられていました。

お菓子は、栗きんとん、ブラムリーアップルの米粉を使った焼き菓子、そしてかぼすの水菓子の三品をご用意。初秋の味覚を少しずつ楽しんでいただけたかなと思います。

今回も「利休七則」をテーマに、利休が残した茶の湯の七つの心得を心に留めながら、ゆっくり稽古を進めました。

刻限は早めに――「時間はゆとりを持って早めに」というのは、単に余裕をもつというだけでなく、自分自身がゆったりした気持ちになり、同時に相手の時間をも大切にすること。小さな時間の余白が、穏やかなひとときを生むことを、歳を重ねるにつれてより強く感じるようになりました。

裏の点前、表の点前と、皆さまそれぞれのリズムでお茶を点て、小さな秋の景色を感じながら夏の疲れをそっと癒す時間。一服のお茶をいただきながら、整える時間を共にしました。

この日の着物は、象牙色の地にツバメや星、雲のような絣模様のサマーウールの単衣着物に、リユースの名古屋帯を合わせてみました。記録用にそっとパチリ。

今週末には秋のお彼岸を迎えツバメたちも南への旅立ちの準備にはいります。

お茶:月照(柳桜園)
菓子:栗あそび(鈴懸)、ブラムリーアップル焼き菓子(手製)、さやか(鈴懸)
花:秋の野に(鎌倉・緑青)