節目の3月、友とめぐる小さな旅
3月は、さまざまな出来事が重なり、心豊かなひと月となりました。
千葉・房総の旅に始まり、春のお彼岸には、実に45年ぶりとなる小中学校の同窓会へ。
幼なじみなのに最初は誰が誰だかわからず、少し戸惑いながらも、やがて打ち解け、仲の良かった数人と昔話に花を咲かせました。交換日記のことなど、記憶の奥にしまっていた出来事が次々とよみがえり、故郷で過ごす時間の温かさをしみじみと感じました。
そして3月の締めくくりは、短大時代からの友人Kちゃんと、箱根での還暦祝いの旅。
いざというときに何でも話せる友人がいることのありがたさを、改めて感じるひとときでした。頻繁に会うわけではなくても、価値観や美意識がどこか似ている——そのことが、心地よい関係をずっーと支えているのだと思います。
「あれ、あの地名なんだっけ?」と笑いながら、フランスの思い出話に花が咲いた夜。
プロヴァンスの街角や、かわいらしいイルカの噴水の記憶。あの頃ヨーロッパに憧れ、私は30代から旅を重ね、彼女は仕事で世界を巡っていました。「いい時代だったねー」と語り合いながら、尽きることのないおしゃべりに、静かな時間が流れていきました。
初日は、桜を愛でながら東名を走り、御殿場へ。訪れたのはとらや工房。山門をくぐると、芽吹きはじめた木々に迎えられ、竹林に囲まれた小径をゆっくりと進みます。気持ちいい開けた庭を見ながらいただいたあんみつは、素朴でやさしい味そのものでした。
隣接する東山旧岸邸も見学。
1969年に建てられた、建築家・吉田五十八の晩年の作品。ガイドの方の丁寧な説明を聞きながら、随所に施された意匠や機能美に触れ、障子の細い桟や面取り、水屋での電気のスイッチを隠す繊細な工夫など静かな感動を覚えました。
箱根の宿では、温泉とホテルライフを満喫。
心も体もゆるむ、穏やかな時間を過ごすことができ、すべてをアレンジしてくれたKちゃんに感謝の気持ちでいっぱいです。夕食の席では、ホテルからサプライズのお祝いデザートのプレゼントも。思いがけない心遣いに、ふたりでうれしくて思わず笑顔になりました。
2日目はあいにくの雨模様でしたが、近くの富士屋ホテルへ。
2020年リニューアルされた館内は、欄間や柱のひとつひとつまで美しく、歴史の重なりを感じさせます。私は寄木細工を思わせるケーキとコーヒーをいただき、ゆったりとした時間を楽しみました。
こうして、還暦を祝うふたりの旅は、静かに、そしてあたたかく幕を閉じました。
3月という節目を越え、リフレッシュしていよいよ新しい年度が始まります。また気持ちをあらたに、元気に4月スタートです。
