本その1

2020年07月18日

今年の梅雨は長雨続きです。今日はわたしが大切にしている本を紹介します。椋周二著「誕生樹」(八坂書房2007年版)です。著者の椋さんは元建設省のエリート官僚で2005年日本国際博覧会で会場整備・環境担当の実質的な現場を仕切った方です。もさもさのモリゾーとキッコロのキャラクターを憶えている方もいらっしゃると思います。

”葉々清風”(ようようせいふう)これは禅僧・虚堂和尚の言葉で、弟子たちが志を立て旅立つ折に、はなむけとして作った詩の一節「君が為に葉々清風を起こす」からきたものです。人と人の、ことに信頼しあっている者同士の清々しい心の交流をとらえたものといわれていますが、人間と自然との関係を詠っているとも考えられます。「君(人間)の為に(樹木の)葉々(は)清風を起こす」と。・・・この本のはじめに書かれていることばがとても好きで、ときどき手に取って読み返します。

友人が来たときは、書棚から本を取り出してページをめくって誕生日の樹木を探して紹介したりします。みんな大喜び!

先のブログに書いた「オクダとし惠さんその1」の作品名は、なんと、椋さんが選定したわたしの誕生樹「菩提樹」と同じだったのです。遠く離れたところでこんな繋がりがあるなんて、ふしぎ・・・

かそけきかおり 初夏の 憧れは 天にとどく 街いっぱいの リンデ 大きく大きく

樹はしげり 小さく小さく花は咲く 広く広く香りたつ。

オクダとし惠「菩提樹」詩より