2025青葉 小さな旅・野点ノ会

2025年05月18日

青葉 小さな旅・野点ノ会を終えて

新緑の木漏れ日のもと野点を楽しんだ2015年5月から10年——
季節の小さな茶ノ会「リンデ」に名を変えてから初めての「青葉 小さな旅・野点ノ会」を開催しました。

前日の強風と雨がうそのように、北鎌倉は旅日和の穏やかなお天気に恵まれました。
11時に北鎌倉駅に集合し、今回の旅のアレンジとガイドをお願いした、鎌倉市在住の画家・望月麻里さんと合流。

北鎌倉の地形や歴史、素敵なランドスケープについて麻里さんからお話を伺いながら、鎌倉の奥深さに触れる時間がはじまりました。

まず訪れたのは松岡山 東慶寺。
小さな山門をくぐると、谷戸と呼ばれる鎌倉特有の地形に抱かれた境内に、新緑と初夏の草花が広がっていました。

この日はちょうど毎月18日の「水月観音」ご縁日で、美しい水月観音様にお参りすることもできました。苔むした石畳、高くそびえる木々に囲まれた境内を、ゆっくりと巡りました。

続いて、今回の野点の席となる「スミカ探求舎」さんへ。北鎌倉の裏道に入り、てくてく小径を歩き坂を登っていきます。住宅が寄り添う風景や、艶やかに光る初夏の葉、ふくらみはじめたアジサイの蕾が目を楽しませてくれました。

やがて古民家「スミカ探求舎」さんに到着。麻里さんのご自宅のお庭に咲く草花が茶花として迎えてくれました。大きな窓からは心地よい風が吹き抜けます。

お昼には、葉山「風と森」さんの菜食弁当をいただきました。畑や庭で育った野菜や野草を中心に作られた、やさしくて手作りの味。自然の恵みが詰まった一折でした。

野点の席では、北鎌倉「御菓子司こまき」さんの主菓子とともに、それぞれが持参したお茶碗でお茶を点てました。
風に揺れる木々、鳥の声、茶筅の音……自然のなかで五感を研ぎ澄ましながらいただく一服は、格別の味わいでした。

青葉がまぶしい5月。10年ぶりに手作りの野点ノ会をひらくことができ、心を整えるひとときを皆さまとご一緒できたことに、深く感謝申し上げます。
アレンジをしてくださった望月麻里さん、ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。